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Channel: @ER×ICU 〜救急医の日常〜
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救急隊との勉強会と「あっぱくん」

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先日、近隣市民病院と当院、そして市の救急隊との勉強会に行ってきました


それぞれの施設から一つずつ報告をあげます


当院からは
「意識障害で搬送された肺塞栓症」

現場でそしてERで肺塞栓をどのように鑑別できたか

非常に難しい症例報告を当院研修医から


市民病院からは
「近年の高齢者救急の実情」

出口問題はこれからの救急施設の大きなテーマです

どう地域と連携して救急サービスを維持するかは重い課題です

これに関しては臨床救急学会に僕もデータ持っていきます



そして救急隊から
「簡易蘇生キットで未来のバイスタンダーを育成する計画」


最近救急隊は地域の小学校に出向いてCPRの実習をしているみたいです

そこでこんなアイテムを使っていると


「あっぱくん」
(製造・販売元 特定 非営利活動法人 大阪ライフサポート協会)



図鑑みたいな箱で、開けるとこんな風になっています


AEDを模したアイテムと


心臓を模したハート型の装置があります




両端のピンク色はたぶんおっぱいですね



関係ないけど、パソコンで「おっぱい」と打ったところ

( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!

って変換されました・・・
なんちゅうパソコンや・・・汗



話をもどして

この中心部のハートマークを圧迫するわけです


正しく圧迫できれば

ムキュッ♫

という音がなって、正しく押せたことがわかります


こんなアイテムがあるのかと感心しました




この簡易キットは2000円くらいで、消防署で小学校2クラス分程度をまかなえるくらいの数を揃えているようです



僕も以前福岡にいた時はよく小中学校にBLS講習しに行っておりましたが、そんときは蘇生講習用の人形でやりました


人形だと数がそろわないので、交代で実習するしかありません

体を動かして人以外がダレてしまうのですが、これだとみんな一緒に練習できるので小学校での教育には最適ですね


ちなみにハートマークは表裏あって、片方が成人用の固いもの、裏が小児用のやわらかいものという仕様になっています



これを小学校3年生の時から講習で使って、どのくらい心肺蘇生への理解と自信が深まるのかというのが救急隊からの報告の要旨でした

低学年層に介入することでもある程度の理解と自信が得られるようです



小学校で人が倒れた時、または小学生の近くで人が倒れた時、助けられるのは小学生だけです!


育て未来のバイスタンダー!


というわけで僕もこれ使って講習に行ってみたくなったわけです



そんな話をしていたら、友人の先輩救急医から文献もらいました

すでにこれを利用して講習会を行い、どのくらい胸骨圧迫が適切にできるようになるかを、物理的にデータ計測して報告したものです


Hirose T, et al.
Effectiveness of a simplified cardiopulmonary resuscitation training program for the non-medical staff of a university hospital.
Scand J Trauma Resusc Emerg Med. 2014 May 10;22:31.



  ↑リンクあり


もう友人と呼ぶにはおこがましすぎます・・・

ぼくは世の中の流れから数週遅れていました・・・汗

お恥ずかしい限りです・・・






今日で東日本大震災から5年

災害医療がさらに拡充されたり、医療だけでなく様々な面での安全性確保に目が向けられてきた5年間だったと思います

どうにもならない時もあるかもしれませんが、どうにかなるものはどうにかしたいということで、一般市民レベルでの救命にも関わっていかねばならんと思いました


日々また頑張ってまいります



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