読者の多分研修医か医学生の方から質問をいただいたので、新専門医制度について書きます
多くの人がおそらく疑問に思っているだろうことだと考えましたので、書き込みを引用させていただきつつ、それに答える形で述べていきたいと思います
2017年度から新専門医制度で「基礎領域」は原則1つしか専門医を取得できなくなるそうですね。ということは総合内科専門医と救急専門医の両方を保持(そして維持)できないということでしょうか?
ダブルライセンスについての質問です
まぁそもそも専門が2つあるというと、変な感じがします
「専ら」
というのは
他のことにかかわらずそのことだけに勤しむ
ことを言うわけです
でも今の日本には、救急科専門医をもつ内科認定医の外科専門医なんて人は多く存在しています
救急患者の対応を週に1回もしなかったり、救急とは縁遠い研究をしている救急専門医も多くいらっしゃるかもしれません
それはやっぱりおかしいよねということで新専門医制度を設計しております
というわけで、一応新専門医制度は
専門家を、真の専門家にするための制度です
いただいた質問に答えます
専門医と認定されるためには、専門研修プログラムに則った研修を受けなくてはなりません
基本は3年間です
ですから
6年間かけて2つの診療科の研修プログラムを修了したらダブルライセンス可能です
ただこれまでより維持が難しくなるかもしれません
たぶんその分野に関わる論文を何本か出すことが資格維持の必須項目になると思いますし、臨床経験も問われることになると思います
できないことはないけれども、相当な努力が必要だと思います
3年間の総合内科専門医プログラム中には救急科専従3か月という必須条件があります。そこであらかじめ初期研修中の自由選択枠で救急科専従を9か月しておこうかなっと思ってます。そうすると救急専門医の救急科専従1年要件クリアとなります。
残念ですが、おそらくこれだと要件を満たしません
初期研修の専従は現時点においては専従期間として認められますが、新専門医制度は研修プログラム内で研修することになっております
初期研修とは完全に別な制度設計ですから初期研修医の時に何年救急専従していようと、スタートラインは同じになるはずです
あと、救急科専門プログラムでは、中断して他のプログラムに移行しても、中断までの専従期間は記録に残して中途再開を認めようという動きになっておりますが、プログラムによっては3年間通年で研修しなければいけないとするところもあるようですから注意が必要です
救急1年→外科3年→救急2年
は可能かもしれませんが
外科1年→救急1年→外科2年→救急2年
みたいなのは不可能かもしれません
内科専門医プログラムで内科系は1周するので初期研修はむしろ外科・救急系で固めておくのもよいかなと思っています。
初期研修の目的ははっきりしています
厚労省が掲げる基本理念はこちらです
「臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない。」
〇〇科医としての下地を育てる期間
というわけではないのです
端的にいうと
・医師としての人格涵養
・基本的な診療能力の習得
これが目的です
なので、将来何科に進むとかにかかわらず、広くあれこれの知識を習得する態度が望まれると思います
将来外科系にあまり触れないかもしれないから研修医の間にしっかり触れておくという考え方は、素晴らしいことだと個人的には考えます★
多くの人がおそらく疑問に思っているだろうことだと考えましたので、書き込みを引用させていただきつつ、それに答える形で述べていきたいと思います
2017年度から新専門医制度で「基礎領域」は原則1つしか専門医を取得できなくなるそうですね。ということは総合内科専門医と救急専門医の両方を保持(そして維持)できないということでしょうか?
ダブルライセンスについての質問です
まぁそもそも専門が2つあるというと、変な感じがします
「専ら」
というのは
他のことにかかわらずそのことだけに勤しむ
ことを言うわけです
でも今の日本には、救急科専門医をもつ内科認定医の外科専門医なんて人は多く存在しています
救急患者の対応を週に1回もしなかったり、救急とは縁遠い研究をしている救急専門医も多くいらっしゃるかもしれません
それはやっぱりおかしいよねということで新専門医制度を設計しております
というわけで、一応新専門医制度は
専門家を、真の専門家にするための制度です
いただいた質問に答えます
専門医と認定されるためには、専門研修プログラムに則った研修を受けなくてはなりません
基本は3年間です
ですから
6年間かけて2つの診療科の研修プログラムを修了したらダブルライセンス可能です
ただこれまでより維持が難しくなるかもしれません
たぶんその分野に関わる論文を何本か出すことが資格維持の必須項目になると思いますし、臨床経験も問われることになると思います
できないことはないけれども、相当な努力が必要だと思います
3年間の総合内科専門医プログラム中には救急科専従3か月という必須条件があります。そこであらかじめ初期研修中の自由選択枠で救急科専従を9か月しておこうかなっと思ってます。そうすると救急専門医の救急科専従1年要件クリアとなります。
残念ですが、おそらくこれだと要件を満たしません
初期研修の専従は現時点においては専従期間として認められますが、新専門医制度は研修プログラム内で研修することになっております
初期研修とは完全に別な制度設計ですから初期研修医の時に何年救急専従していようと、スタートラインは同じになるはずです
あと、救急科専門プログラムでは、中断して他のプログラムに移行しても、中断までの専従期間は記録に残して中途再開を認めようという動きになっておりますが、プログラムによっては3年間通年で研修しなければいけないとするところもあるようですから注意が必要です
救急1年→外科3年→救急2年
は可能かもしれませんが
外科1年→救急1年→外科2年→救急2年
みたいなのは不可能かもしれません
内科専門医プログラムで内科系は1周するので初期研修はむしろ外科・救急系で固めておくのもよいかなと思っています。
初期研修の目的ははっきりしています
厚労省が掲げる基本理念はこちらです
「臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない。」
〇〇科医としての下地を育てる期間
というわけではないのです
端的にいうと
・医師としての人格涵養
・基本的な診療能力の習得
これが目的です
なので、将来何科に進むとかにかかわらず、広くあれこれの知識を習得する態度が望まれると思います
将来外科系にあまり触れないかもしれないから研修医の間にしっかり触れておくという考え方は、素晴らしいことだと個人的には考えます★