プロについて考える機会がありました
プロってなんですかね?
その道で専門性を持ってやっていてお金をもらっていたらプロでしょうか?
社会との関わり合いという意味ではそうかもしれませんが、医師個人としてプロとしてあるとはどんな態度でしょうかね・・・
そんな事を考えつつ
明日は学会で一つお話してきます
明日から三日間は
第45回日本救急医学会総会・学術集会in大阪
テーマは
「Love EM」
(学会HPにリンク)
すごいですね
僕は個人的にブログでViva ERとか言っていますが、このノリが学会にまで出てきました
ヽ(;´ω`)ノ
今回の学会では、救急医療に対する想いや夢を語り合うセッションが設けられており、僕はそこでお話してきます
タイトルは
「救急医として何ができるか、何をすべきか」
そんなのもちろん救急医療なのですが、もう少し具体的に・・・
どのように社会に救急医として関われるかということを詰めたつもりです
発表内容はまぁ置いといて、今回スライド作る上でプロフェッショナリズムに関して考えたので、ここに残しておきます
医師のプロフェッショナリズムに関しては
「新ミレニアムにおける医療プロフェッショナリズム:医師憲章」
というものがあります
基本原則が3つ
「患者の利益追求」
医師は患者の利益を守ることを何よりも優先し、市場・社会・管理者からの圧力に屈してはならない
「患者の自律性」
医師は患者の自己決定権を尊重し、「インフォームド・ディシジョン」が下せるように、患者に自由裁量権を付与しなければならない
「社会正義」
医師には医療における不平等や差別を排除するために積極的に活動する社会的責任がある
これらは一般的な医師をくくりにしたものなので、救急医のプロフェッショナリズムを考えるなら、さらに細かく目標設定する必要があります
この基本原則には社会正義の項目がありますが、僕はここに着目しています
プロフェッショナリズムとは社会への返答みたいなものだと思っています
端的に言うと社会に対して何ができるかということですね
対価を得るにふさわしい正義みたいなもの
個人的に考える救急医としてのプロフェッショナリズムの柱は
①「自律」
②「多様性への対応」
③「社会への関わり」
です
順番に見ていきます
①「自律」
自己研鑽や研究、教育のカテゴリーで大事になります
救急医学を前進させる、治療成績を上げる、後進を育てる
何をするにも、自らの責任において行えることがプロとして最低限必要な基本的能力ではないでしょうか
誰かから管理されているのはプロとはいえません
②「多様性への対応」
これは患者の多様性の他、職種の多様性もあるかと思います
臓器別にとらわれない、また患者選択の余地の少ない救急医の得意分野といっても過言ではないと思います
急性期の病態を抱えているという条件を持つすべての人に対応するのが救急医なのです
生命維持はもちろんですが、行政サービスの線引きが難しい分野や、多岐にわたる問題を包括して、病院内外の多業種巻き込んで指揮をしながら対応する柔軟性が必要で、そして多業種とりまとめのためにはリーダーシップも発揮せねばなりません
③「社会への関わり」
個人的に目の前の患者さんに対応することはとても大事なことですが、それがいつでもどこでも、よりレベル高く提供されるためには社会全体の救急医療体制を変えていかないと叶わないこともあります
実は救急科専門医制度ができてまだ13年
そしてなんと、救急科標榜が可能となってまだ9年です
これまで救急科医師不在の歴史が日本には長くありました
なんとかしなくてはならないという一部の熱意のある各診療科医師らのボランティア精神により担保されていたのです
もちろん救急医療に携わっていた先人たちの努力が無駄であったなどとは決して思いません
前世紀の活動があってこそ、21世紀になり蘇生ガイドラインはより洗練され、外傷初期診療ガイドラインが広まり、災害医療体制が敷かれ、病院前診療体制も広がって来ました
我々には先人が撒いてくれたタネを育て、また新しいタネを蒔く責務があると考えます
さらにこれからは予防医療も含めた公衆衛生活動なども社会への関わりとして非常に重要です
医療体制の構築とともに、救急医療に関する啓発活動も求められます
というわけで
これらの三本柱を胸に、自らの研鑽と社会との関わりを持ってプロとしての姿が形作られると思っています
しかしプロフェッショナルが身についたかどうかを図る尺度もありませんし、難しいところではあります
もしかしたら目指し続ける姿勢も含めてプロフェッショナリズムかもしれません
この辺に関してはわかりやすく伝えたり、より救急に興味を持ってもらいたいなという気持ちがあり、その気持ちが形になりつつあります
次回、ちょっと素敵な報告をします★