以前、中国で生きたうなぎを尻から入れたところ腸管を食い破って腹腔内に飛び出し、大変なことになったという衝撃的な報告を目にしました
僕じゃないっすよ・・・
引用:「Man gets eel stuck up his anus but won’t tell doctors how it got there」
https://metro.co.uk/2017/11/17/drunk-refuses-to-tell-doctors-how-eel-got-stuck-up-his-anus-7086854/
何でこんなことになったのでしょうか?
などとコメントするのがためらわれるほどイケテナイ状態です
先人たちのチャレンジ精神が打ち砕かれている例は一般に広く知られているはずなのに、こうしてお尻から異物が入れて取れなくなるという事例が後を絶ちません
人間は本当に罪深い生き物です
さて、みなさん自分では入れていない、たまたま入ったのだというようなことをおっしゃいます
今回はそんなお尻に何かが入ったという事例のうち、「本当に自分で入れていない」というパターンについて考えて見たいと思います
ちょっと前に、職場の同僚の尻から空気を注入して死なせたというニュースが流れました
このケース、肛門から鋭利なものを入れたとか、生物を入れたとかいうわけではありません
まさかの空気、しかも他人が注入したという悲惨な出来事です
服の上からコンプレッサーで空気を噴射したところ、体内に空気が入り、肺の損傷が起きたことが死因とのことです
面白半分だったとのことですが、本当にひどいことをするものだと思い、戦慄を覚えながらニュースを見ました
これまでも同様に、コンプレッサーによる空気の噴射で直腸を傷つけるという事故の報告はありました
しかし肺の損傷とはどういうことでしょうか
色々調べていると、腸管損傷のため腹腔内へと空気が漏れて腹部コンパートメント症候群のようになり、腹圧が上がりすぎて横隔膜を下げることができずに呼吸を障害する場合があるようでした
World J Gastroenterol. 2016; 22: 3062–5.
このような事態に見舞われるということは広く知られるべきだと思います
故意にやるようなことは絶対に避けるのはもちろん、万が一事故で噴出されたAirが臀部に当たった後に何らかの症状を呈しているというような場合も、迅速な対応をしなくてはならないと肝に銘じておきましょう
さてさて
空気が肛門から入ったという例に続き、水が肛門から入る場合もあることを紹介しておきます
こちらはジェットスキーからの転落で受傷する例が見受けられます
二人乗りや三人乗り状態で急発進や急旋回した時に後ろに乗っていた人が振り落とされると、座席にまたがった状態のまま落水するので、股間に高速の水流が直撃する形になるのです
直腸や膣の損傷を負ってしまったものや、直腸から前述のように縦隔まで損傷が及んだものも報告されています
日臨外会誌. 2016; 77: 411-7.
日本腹部救急医学会雑誌. 2014; 34: 1159-62.
基本治療は人工肛門の造設と損傷箇所の修復になりますが、肛門括約筋が破壊されてしまうと、最悪の場合、人工肛門の閉鎖が叶わなくなる場合もあります
まだまだ残暑厳しい中、マリンスポーツに興じる方も多いかと思います