10月5日
実質ウィーン最終日
学会は午前中で終了し、自由時間ができました
ワ━ヽ(*´Д`*)ノ━ィ!!!!
午後からは美術史美術館、そして夜はオペラ座と、最後までウィーンを楽しむのだと気合の入るスケジュールです
この1日前に一緒に食事した大学病院の友人救急医は芸術に全く興味がないらしく・・・
一緒に来たのが気の合うオーケストラの後輩で本当に良かったと思いました
しかしウィーンの美術史美術館は本当にすごかった
絵画だけでなく、古代エジプトの彫刻やら世界の貨幣コレクションやら・・・
ネオルネサンス様式の建物は、中に入ると壮麗な壁画が出迎えてくれます
この壁画の何がすごいって、クリムトが書いてますからね・・・
なんともはや
絵画作品は半端なく多く、壁一面に所狭しと飾ってある部屋も
全部じっくり見ていると日が暮れる勢いです
ブリューゲルやらルーベンスやら、著名な画家の絵も、日本では一つの美術展が開けそうなほどありました
バベルの塔もこの美術館にあります
建物は広いので足は疲れるわ、絵が多いので心が疲れるわで、真剣に楽しむにはしっかりした予習と数日の観光日程が必要だと感じました
というわけでめっちゃ疲れるこの美術館には最高の癒しスポットがあります
世界一美しいとされるミュージアムカフェです
ただ、朝のザッハートルテがまだ尾を引いていたため、カフェる気持ちに全くなれませんでした・・・
その後、ビール飲んでご飯食べて、帰る準備をしつつホテルで休憩
暗くなってきた頃に国立歌劇場へ向かいます
ホテルの前の交差点からトラムが出ており、国立歌劇場前まで乗せてってくれるので非常に便利でした★
国立歌劇場はミッションインポッシブル:ローグネイションで舞台になっており、いつかはいけたらいいなぁと思ったのですが、こんなに早く行けるとは・・・
入っただけで大興奮
後輩は興奮しすぎて不整脈出ていました(笑えない)
演目はアイーダです
奇抜な演出とかいうわけではなく、オーソドックスな舞台と大道具、堅実な演奏でしたが、これぞ王道という感じでした
人のもつパワー、歴史と芸術の魂を直に感じることができて感無量です
アイーダは第2幕までは豪華絢爛華やかですが、愛する人と地下牢生き埋めになる感じの終幕なので明るい話ではないです
ハイテンションになるでもなく、胸いっぱいになったものをそのまま胸に抱え、後輩と二人でただただ綺麗なため息をつきながらホテルまで帰りました
この日「いつか行きたい場所」は「いつか家族と行きたい場所」となりました
絶対にまた戻ってくるからなウィーン!!
というわけで、興奮冷めやらぬ中、帰国の準備をしていたのですが、大事なニュースが入りました
時を同じくミラノで行われていたヨーロッパ集中治療医学会で、敗血症性ショック患者にPMX-DHPが有効かを調べているEUPHRATES trialの結果が報告されました
PMXって集中治療領域でしかあまり使わないかもしれないので馴染みがないかもしれないかもしれませんが
ポリミキシンB固定化線維カラムを用いる血液吸着療法
direct hemoperfusion using a polymyxin B immobilized fiber column
のことです
エンドトキシンを吸着するので、敗血症性ショックでエンドトキシンがバンバンでている時にPMXで血液吸着やったら救命率上がるのではなかろうかということでRCTが行なわれました
結果は動画で見ることもできます
http://www.esicm.org/news-article/hot-topics-full-presentations
まぁやっぱりねという感じではあったのですが・・・
この通り、有意差なしということで、有害事象発生頻度や費用対効果も考えると、なかなか今後積極的に敗血症性ショックの予後改善を目的に導入しにくいなという感じになってきました
ウィーンからミラノまで足を伸ばしても良かったとちょっと思いましたが、現地の発表が動画で見られるとは便利な時代になったものです
絵画とオペラとPMXの話題が入り乱れる倒錯した嗜好が垣間見えるエントリーとなってしまいましたが、まぁ僕ってそんな人なのでしゃーないです・・・
少々の現実離れから戻り
また日々、救急医療に勤しみたいと思います
とか言いつつ、あっという間に来週はブラームスの本番です
医療も音楽も全開のまんまですね・・・がんばろ