九州が大変なことになっています
来週もともと福岡に応援いく予定だったのですが、福岡ERも災害医療チーム派遣等で手薄になるので自分にできることは福岡ERを守ることだろうと思っています
さて
災害時には、自分に何もできないことを悔しがる声がちらほら聞こえてきます
お気持ちはお察しいたしますが、そんなに悔やまないでください
自分も災害医療チームとして現地入りしているわけではありません
でもできることがあります
当院は広域搬送の受け入れ病院として機能させることができる(というかしなくてはならない)のですが、広域搬送に備えて準備しておくことが求められます
後方支援があって初めて前衛が機能するのです
この広域搬送を受け入れる病院も、近隣の病院がしっかりと余分に機能を担保しなくては、他の医療圏の患者さんの安全を守ることはできません
直接出向いて何かをするということは大変尊いことだと思いますが、それだけが全てではありません
そして災害とは直接関係のないことのように映るかもしれませんが
いつも通りに過ごす
ということはとても大事なことです
一地方が災害に見舞われるなか自分だけが普通に過ごすというのはストレスフルかもしれません
でもだからこそ普通に振る舞うというのは尊い行為となります
経済を回したり、何かを生産したり、自分の行った社会行為は必ず被災地に反映されます
その活動がストップしたら復興にもつながりません
世の中にはさらにやらない方がいいことも存在します
例えば病院前の医療介入として、心肺停止患者に気管挿管したほうが予後が悪いんじゃないかという研究があります
確実に気道確保して人工呼吸してあげたほうが元気になると医療従事者は信じてやってきたわけで、悪気なんかは全くあるわけがないのですが、結果として悪い結果になる可能性をひめています
熊本のために何か物資を送らねばということで完全なる善意で何か送ったとして、現場で腐って虫がたかって不衛生になったり、使わなくなった洋服を送ろうということで送ったはいいけど、実は物資はすでに足りていて、置き場所を占有することにしかならなかったということもありえます
やった満足感は残るかもしれませんが、迷惑にしかならないこともままあるということを知らなくてはいけません
じゃぁ何もするなというのか!?
というと、僕はそうは言いません
普通にぜひ過ごしてください
しかるべき人がしかるべき場所で、しかるべき情報の元に動いています
信じましょう
そして、本当に助けが必要になったときに何かしたらいいと思います
赤十字社に寄付するなり
熊本のどこかの街にふるさと納税するなり
そういうわけで
僕もできることをできる範囲でできるだけやってまいりたいと考えております